勝手に育つ
数年前「自然農法」というものに興味をもった時期がありました。
耕さない
除草しない
肥料を与えない
そうして自然の摂理にまかせて「土づくり」をし、
できたお野菜は「腐らない」のだという。(諸説あります)
考え方として、
虫や草を敵とせず、
互いの役割を「生かし合う土壌」をつくる。
たしかに、
森や林の植物は「勝手に」育っている。
よく考えたら不思議な話です。
でも、人間には見えないだけで、
微生物 さんたちが多大な役割を担っているというのです。
「土壌を作るのは微生物、植物を育てるのも微生物である」
(引用)
微生物の役割を奪って、外からどんどん栄養だけを与え続けると、
軟弱な土壌になり、病気に弱いお野菜になってしまうというのです。
そして
「栄養」に頼らない土づくりには時間がかかる。
数年前に「自然農法のまねごと」をお庭ではじめてみました。
すると、たしかに耕していないのに土が柔らかくなってくるのです。
しかし、
うまくいくお野菜もあれば、なかなか難しいお野菜もあり。
まぁ、楽しんでやろうということで、
そのまま「適度」に見守っていました。
すると、
前年 終わったお野菜を放置していたら、
次の年に「勝手に」芽がでてきたり、
いくつかの野菜が「自生」しはじめたのです。
ちゃんと種が眠っていたのですね。
その中でも面白いのが、ジャガイモ。
勝手に出てきて、枯れて、「小さいお芋」ができている。
その中から少しだけ実りを頂いて、残った種イモから、
また次の年 勝手に出てきて、枯れて…を繰り返して数年。
「小さいお芋」は小さいながら命をつないでいたのです。
そして、ある年。
「またジャガイモが出てきたなぁ」なんて
他人事のように思いながら、土を掘り返してみると…
「小さいお芋」に混じって「りっぱなお芋」がたくさん!
ちゃんと「土」と相談しながら、
自分なりの「大きくなる方法」を学んでいたんだなと。
なんて力強い。
これは、子どもたちにも言えることだと思い、
「スペースまる」を立ち上げたときに考えた コンセプト にもなっています。
外から「何か」を与えるのではなく、
その子自身がすでに持っている「育つ力」をどう引き出すのか。
そして安心できる「土壌」をどう作り出すのか。
「土壌を作るのは微生物、植物を育てるのも微生物である」
私は、
土壌と植物をつなぐ、見えない微生物のようでありたいなぁと思います。